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かせいへいだん
火星兵団
海野 十三
「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页
そうして、わしのところでいろいろと勉強もした。だから、火星王が攻めて来ても、そうかんたんに、やっつけられないよ。わしも今度は出来るだけのお力になり、ロロ公爵やルル公爵が、ふたたび火星をおさめるようにしてあげたいと思っているのじゃ」
「それはいいことですね。僕もそうなる日を祈っています」
日本語がよくわかる二人の公爵は、それを聞いて大変喜んだ。
「まあ、見ていて下さい。僕たちはやりますよ。そうして火星を、りっぱな国にしたいと思っているのです。今までの火星は、文化こそ進んでいるが実に恐しい国です。悪いことをする者がえらいのだと考えている。早く言えば、丸木などは、どろぼうをするために、地球へ攻めていったようなものですからね」
大空艇は、針路を左へ曲げた。
火星の大地は、それとあべこべに右へまわっていく。
しばらくすると、火星の端が、黒くふちをとったように、見えはじめた。それは火星の夜の部分であった。
大空艇は、どんどん左へまわる。
火星の表面から、明かるい部分が、どんどん小さくなる。そうして、やがて、全く暗くなった。
「このへんでいいだろう。消音装置を働かして下りていこう」