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かせいへいだん

火星兵団

海野 十三

「大毎小学生新聞」大阪毎日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月31日、「東日本小学生新聞」東京日日新聞社、1939(昭和14)年9月24日~1940(昭和15)年12月30日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 307,889 字 · 618 页

青空文庫

蟻田博士は、目盛盤のつまみを動かした。すると、大空艇は、ほとんど垂直に下りはじめた。

「わざわざ暗いところへ、下りるのですか」

と、千二が、博士に尋ねた。

「それはそうだ。明かるいところを下りていくと、丸木たちがうるさいからね」

「では、火星の夜のところへ大空艇を着けるのですね」

「そうだ、カリン岬に着けるよ」

「博士、丸木は、僕たちが後を追いかけて来たことを、知っているでしょうね」

「もちろん、知っているよ。だから、火星へ上陸しても、なかなかゆだんはならないよ」

「そうですね。僕たちも、丸木と戦わなくてはならないのですね」

「それくらいの覚悟はしている必要があるね。もっとも、ロロ公爵の旗の下へ集って来る兵も少くないであろうが、とにかく、はじめのうちは、あぶないぞ」

「博士、火星兵と戦うには、何をつかうのですか。もう、ガス弾などは役にたたないのでしょうねえ」

「ああ、ガス弾か。ガス弾をつかえば、火星兵はやっぱり死んでしまうよ。しかし、味方の兵まで殺してしまっては、なんにもならないから、今度は、また別の兵器をつかうのだ」

「別の兵器? それは、どんなものですか」

「火星の上で使う新兵器は、ここにあるこれだよ」