Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こどもふどき

こども風土記・母の手毬歌

柳田 国男

Lesen Sie こども風土記・母の手毬歌 (こどもふどき) von 柳田 国男 (やなぎたくにお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 142.761 Zeichen · 278 Bildschirme

Aozora Bunko

『宝暦現来集』という書物を見ると、今から百六、七十年前の安永年間までは、朝々江戸の町を「お茶の子お茶の子」といって売りあるく商人があった。そのお茶の子は今いう鶯餅のように、餡をつつんだ餅に黄粉をまぶしたものであった。手のない家ではこれを買い取って朝茶を飲み、それで朝飯をぬきにした人が多かったということである。農家のように昧いうちから起きるのでなければ、この茶の子のあとで朝飯を食べ、それからまた昼のしたくをするというのは、なるほど必要もないことであったろう。フランス人などの生活を見ていても、朝は起きぬけにコーヒーを飲みパンを少しかじるだけで、われわれが朝飯と訳している食事は十一時過ぎ、お昼の少し前になって食べるのをふつうのようにしている。日本の田舎でも朝飯は昨日の残りもの、そのほかいたってかんたんにすませておいて、その代りには昼飯をずっと早く、十時少しすぎるともう食べるというところもあるが、これなどは果して昼飯であるやら、または朝飯の時刻をおそくしたのやらわからない。というわけはこういう土地においてはきっと朝飯のことを茶の子と呼んでいるからである。