Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

三

四……袁紹は鷹揚だが内実は小心で人を疑う。また、肉親の者を重用しすぎる。

が――君は、親疎のへだてなく人に接すること簡で、明察鋭い。だから疑いもない。

五……袁紹は謀事をこのむが、決断がないので常に惑う。

が――君は、臨機明敏である。

六……袁紹は、自分が名門なので、名士や虚名をよろこぶ。

が――君は、真の人材を愛する。

「もうよせ」

曹操は、笑いながら急に手を振った。

「そうこの身の美点ばかり聞かせると、予も袁紹になるおそれがある」

三

その夜――

彼は、独坐していた。

「右すべきか、左すべきか。多年の宿題が迫ってきた」

袁紹という大きな存在に対して深い思考をめぐらそうとする時、さすがの彼も眠ることができなかった。

「恐るるには足らない」

心の奥では呟いてみる。

しかし、そのそばから、

「侮れない――」とも、すぐ思う。

袁紹と自分とを、一個一個の人間として較べるなら郭嘉が、

(君に十勝あり。袁紹に十敗あり)

と、指を折って説かれるまでもなく、曹操自身も、

「自分のほうがはるかに人間は上である」と、充分自信はもっているが、単にそれだけを強味として相手を鵜呑みにしてしまうわけにもゆかなかった。