Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
五
……おいっ、特別の賓客をあちらの閣へご案内しろ」
「はっ。……歩け!」
一隊の兵は、四人の前後を、矛や槍でうずめたまま、一閣の口へながれこんだ。呉子蘭の足も王子服の足も明らかにふるえていた。四人の魂はもうどこかへ飛んでしまっている。
五
やがて後から曹操が大股に歩いて入ってきた。
胸におぼえのあることなので、王子服らの四人は、かれの眼を、正視できなかった。
「君たちは、この曹操を殺したがっておるそうだな。董承の邸にあつまって、だいぶ相談したそうじゃないか」
激語になると、曹操は、白面の一書生だった頃の地金が出てくる。また彼はその洛陽時代には、宮門の警吏をしていたので、罪人に対する手ごころは巧みでことのほか峻烈だった。
「い、いいえ。……丞相。……何かおまちがいではありませんか」
王子服が、空とぼけて、顔を振りかけると、その頬を、いやというほど平手で撲って、
「ひとを愚にするな。そんな小役人へするような答えに甘んじる曹操ではない」
「お怒りをしずめて下さい。董承の家に集まったのは、まったく平常の交わりにすぎません」
「平常の交わりに、血書の衣帯などを拝み合うのか」