Japanische Klassiker mit Furigana
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さんごくし
三国志(三)
吉川 英治
Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme
六
こんな機会を逸したら、二度と、風雲に乗ずる時はありません」
「大丈夫かな?」
「常のあなたにも似合わぬことだ。張飛の勇は恐るべきものだが、彼の持ち前の酒狂は、以て此方の乗ずべき間隙です。こんな機会をつかめぬ大将なら、私は涙をふるってあなたの側から去るでしょう」
呂布もついに意を決した。
赤兎馬は、久しぶりに、鎧甲大剣の主人を乗せて、月下の四十五里を、尾をひいて奔った。
呂布につづいて、呂布が手飼いの兵およそ、八、九百人、馬やら徒歩やら、押っとる得物も思い思いに我れおくれじと徐州城へ向って馳けた。
六
「開門! 開門っ」
呂布は、城門の下に立つと、大声でどなった。
「戦場の劉使君より火急の事あって、それがしへ使いを馳せ給う。その儀について、張将軍に計ることあり。ここを開けられよ」と、打ち叩いた。
城門の兵は、楼からのぞいたが、なにやら様子がおかしいので、
「一応、張大将に伺ってみた上でお開け申す、しばらくそれにてお控えあれ」
と、答えておいて、五、六人の兵が、奥へ告げに行ったが、張飛の姿が見あたらない。
その間に、城中の一部から、思いもよらぬ喊の声が起った。曹豹が、裏切りをはじめたのである。