Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

馬蠅の世界も、彼らの世界も、なんの変りもなかった。――むしろ馬蠅の世界には、緑陰の涼風があり、豆の花が咲いていた。

「死にたい。しかし死ねない。なぜ、朕は天子に生れたろうか」

帝は、日夜、御涙の乾く時もなく沈んでおられた。

「陛下」

侍中郎の楊がそっとお耳へささやいた。

「李の謀臣に、賈という者がおります。――臣がひそかに見ておりますに、賈※(「言+栩のつくり」、第3水準1-92-6)には、まだ、真実の心がありそうです。帝の尊ぶべきことを知る士らしいと見ました。いちどひそかにお召しになってごらんなさい」

或る時、賈※(「言+栩のつくり」、第3水準1-92-6)は用があって、帝の幽室へはいって来た。帝は人をしりぞけて突然陪臣の賈※(「言+栩のつくり」、第3水準1-92-6)の前に再拝し、

「汝、漢朝の乱状に義をふるって、朕にあわれみを思え」と、宣うた。

賈※(「言+栩のつくり」、第3水準1-92-6)は、驚いて、床にひざまずき、頓首して答えた。

「今の無情は、臣の心ではありません。時をお待ち遊ばしませ」

そこへ、折悪く李※(「にんべん+確のつくり」、第4水準2-1-76)がはいってきた。