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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

果たして、食慾もつき、容体も日ごとにあらたまってきた。けれど依然、病床から離れるほどにはならなかった。

「いかがですか」

吉平は毎日のように来て、かれの脈をみたり、舌苔をのぞいていた。

「もうおよろしいでしょう。すこし苑でも歩いてみるお気持になりませんか」

「……どうも、まだ」

董承は、仰向いたまま、板のように薄い自分の胸に、両手を当てながら顔を振った。

「おかしいですな。……もうどこもお悪くはないはずですが」

「……でも、すこし動くと、まだここが」

「お胸がくるしいので?」

「このとおり、何か話しても、すぐ語韻が喘いでまいるのじゃ」

「ははは、神経ですよ」と、吉平は笑い消したが、実はこの病人については、初めから吉平もこころのうちで首をかしげていた。実際、ひどく衰弱はしているが、単なる老衰でもないし、持病らしい宿痾も見あたらないのである。

「時務のお疲れでしょう。何かひどく、心悸を労されたことはありませんか」

「いや閑職の身じゃ。さしたることも……」

「左様ですかの。何せい、はやく国舅がおなおりくださらぬと、陛下のご軫念もひとかたではございませぬ。きのうも今朝も、ご下問がございました」