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Japanische Klassiker mit Furigana

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さんごくし

三国志(三)

吉川 英治

Lesen Sie 三国志(三) (さんごくし) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 312.452 Zeichen · 628 Bildschirme

Aozora Bunko

張飛は平蜘蛛のようにそれへ平伏して、徐州城を奪われた不始末を報告した。――あれほど誓った禁酒の約を破って、大酔したことも、正直に申し立てて面も上げず詫び入った。

「…………」

玄徳は黙然としていたが、やがて訊ねた。

「ぜひもない。だが母上はどうしたか。わが妻子は無事か。母や妻子さえ無事ならば、一城を失うも時、国を奪わるるも時、武運だにあらばまたわれにかえる時節もあろう」

「…………」

「張飛。なぜ答えぬか」

「……はい」

張飛らしくもない蚊の啼くような声だ。彼は鼻をすすって泣きながら云った。

「愧死しても足りません。大酔していたため、ついその……後閣へ馳って、城外へお扶けするいとまもなく」

聞くや否、関羽は急きこんで、

「では、ご母堂も、ご夫人も、お子様たちも、呂布の手にゆだねたまま、汝れひとり落ちてきたのかっ」

と赫となった。

「ああっ、この俺はどうしてこんな愚物に生れてきたか、家兄おゆるし下さい。――関羽、嘲ってくれい」

張飛は、泣きながら、そう叫んで、二つ三つ自分の頭を自分の拳で撲りつけたが、それでもまだ「愚鈍なる我」に対して腹が癒えないとみえて、やにわに剣を抜いて、自ら自分の首を刎ね落そうとした。