Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Lisez 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 191 184 caractères · 379 écrans

Aozora Bunko

六

「白須氏、貴殿はあちらへ」

「は」と立ち去ったその後へ、貝十郎はピタリと坐った。

「お浦!」と、非常に力をこめた、たとえば暗示を行う人が、被術者に対していうような、そういう声で貝十郎はいった。「上様に逢わせつかわすぞ!」

「上様へ!」

パーッと眼を開き、その眼へ歓喜の光を漂わせ、金属のような声でお浦はいった。

「上様へ……あッ、あッ、上様へ!」

「お浦、上様へ逢わせてやる! その上様一大事じゃ! ……お浦そちの力を持って、その上様の一大事を! ……よく聞けお浦、わしのいうことを!」

眼を見詰め、気力をこめ、貝十郎は教えるようにいった。

六

「誰であろうと上様に対し、飲み物なんど捧げたなら、そち即座に叩き落とせ! よいかお浦、解ったであろうな?」

ムーッとお浦を見詰めながら、貝十郎は噛んで含めるようにいった。

お浦はコックリ頷いたが、

「誰であろうと上様に対し、飲み物なんど捧げたら、そなた即座に叩き落とせ!」と、貝十郎の言葉を暗誦し、「わたくしが叩き落とすのでござりますね?」と、ハッキリした口調でいった。

眼が澄んで瞳が静止していた。

「そうだ」と貝十郎は力強くいった。