Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Lisez 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 191 184 caractères · 379 écrans
五
立っているという、茶人か遊芸の師匠などの住むには、うってつけともいうべき構えの前へ出で、厳めしくはないむしろ粋な、それでも冠木門の戸を押して、町娘ははいって行った。
少し遅れて戸ヶ崎熊太郎と、平松清三郎とが門の前に立った。
(さてこれからどうしたものだ?)
女装した男だということと、その男が何か意味ありそうに、笑いかけたということに、興味を持って尾行けて来たばかりで、他に深い理由がなかったので、さてこれからどうしたものかと、かえって熊太郎には見当がつかず、佇んでいるよりほか仕方なかった。
と、その時門をあけて、竹箒と塵取りとを持ちながら、庭男らしい中年の男が、ノッソリと外へ出て来たが、庭男などとは思われない、博徒か遊び人かそんな見当の男の、持っているような隙のない眼で、二人を睨むようにジロリと見たが、散り敷いている枯れ葉を掃き出した。
五
「ああ、ちょっとものを訊ねる」
熊太郎はこれ幸いと、何気なげに声をかけた。
「…………」
その男は無言で眼を上げたが、またジロリと一睨し、すぐに下を向いて箒を使い出した。
「いま美しい若い婦人が、この家へはいるのを見かけたが……」