Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Lisez 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 191 184 caractères · 379 écrans
五
こうなるとまことに万々歳なのじゃ。というのは一ツ橋家斉卿は、大腹中で濶達のお方、ただし思い切って派手なご性質、この点少しく心にはかかるが、どっちみち田沼意次なんどの、掣肘を受けるお方ではなく、桑名侯松平越中守様とは、日頃から懇親気心も合い、暗々裡に通ずる点あるとのこと。で本丸に直られたら、越中守様田沼に代わり、ご老中筆頭になられるは必定。と、お政治が正しくなる、いくらか世間がくらしよくなる。……ところでそうなると田沼めは、いよいよ手も足も出ないことになる。そこでどうやら田沼めは、将軍家ご他界の一刹那に、武力弾圧(クーデター)をやるらしいのじゃ」
「…………」
「そうして彼自身偽造の遺言――将軍様ご遺言をふりかざし、西丸様を弾劾し、京師五摂家の公達一人を奉戴して十一代将軍とし、自身は大老となる心算とか。……越中守様そう申されたよ」
「とするとあたかも北条氏が、源氏の子孫を根絶やしとし、公卿の子息を将軍に立て、自身執権となりましたと同断! ……」
「その通りじゃ。それをやる気なのじゃ」
「恐ろしき陰謀にござりまするな」
「その陰謀をさまたげるには、真の将軍家のご遺言状を、こっちの手へしかと納めねばならぬ」