Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Lisez 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 191 184 caractères · 379 écrans

Aozora Bunko

十二

「怪しと見たればかけて(ペテンにかけて)止めたのじゃよ」

十二

田沼様が籠っている、その方へ向かってこんな深夜に、忍術衆の風をした人間が、忍術の歩行で走って行く。怪しと睨んで止めたのは、貝十郎としては当然と云えよう。

「かけてと、黙れ、無礼の奴! 止めるだけの任ある汝なのか! いや汝でもあるまい!」

「任ある者じゃ! 与力じゃよ!」

「与力? 与力で宝山流を?」

(はてな?)というように郡兵衛は云った。

「では、もしや貴殿には?」

「江戸の与力じゃ。与力じゃよ」

「では、……もしや……十二神?」

「ご存知か……貝十郎じゃ」

「…………」

無言! 一足ソロリと下がった。

指を反らせ、踵を上げ、土踏まずの先蹠で、一足下がった時息を吸い、蹠地面へ着いた時、吸った息を静かに吐く。――いわゆる「無足の術」なのであるが、これで郡兵衛は一足下がり、つづけて数間引き下がった。

(いい機会、討って取ろう!)

こう決心したのであった。

宝山流の使い手で、器量人ではあるが、田沼の隠密、浪人にとっても苦手の人物――そういう意味において貝十郎のことを、彼は以前から知っていた。そうして昼のうち冬次郎様から、その貝十郎田沼を守護してこの地にあることを聞かされた。