Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Lisez 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 191 184 caractères · 379 écrans

Aozora Bunko

最初の血煙り

一

「取り返されては残念じゃからの――ではそれまで席を変えて、無頼漢どもに酌させて飲もうぞ」

その夜おそく一挺の駕籠が、その屋敷から舁ぎ出された。戸ヶ崎熊太郎と清三郎とが、駕籠の左右に附き添っていた。

最初の血煙り

一

それ以前から冬次郎の隠れ家の前に、内の様子を窺うかのように、佇んでいた武士があったが、駕籠が門から舁ぎ出されるや、素早く物蔭に身を隠した。

駕籠はしとしとと先へ進んだ。

立ち現われて見送ったが、

「ひょっとかするとあの駕籠に……そう、それに相違あるまい」

呟いて武士はなお見送った。

駕籠は辻を左へ曲がった。

ごみごみとした下谷の裏町、無数に露路や小路があって、それが縦横に織られている。

深夜なので家々はとざされ、燈火などはほとんど洩れず、月もなければ真の闇で、駕籠の先につけた提灯の火ばかりが、人魂のように揺れて見えた。

また駕籠は左へ曲がった。

とたんに覆面をした着流しの武士が、二人ほど行く手から来かかって、熊太郎と擦れ違ったが、素早く熊太郎の顔を覗いた。

「大変な奴が附いているな」

一人の武士が小声でいった。

「うん、戸ヶ崎熊太郎。……」

もう一人の武士が頷いて答え、当惑したように駕籠を見送った。