Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

ja-reading.com

Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Lisez 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 191 184 caractères · 379 écrans

Aozora Bunko

四

冷然とした口調でいった。

まだ貝十郎は黙っていた。

「わしの一番恐れるのは、彼奴らが怜悧になることじゃ。各自意見をいい出すことじゃ。……そうなってはたまらない。……で、彼奴らはいついつまでも、魯鈍でおって貰わねばならぬ」

「いつまでも魯鈍でおりましょうか?」

「おるおらぬは別問題じゃ。……魯鈍でおって貰わねばならぬ」

「…………」

「政治の執り方一つによって、いついつまでも魯鈍でいるよ」

「…………」

「誰かに――一番力のあるものに、犠牲になって貰わないことには、国というもの治まるものではない」

「ははあ」

と漠然と貝十郎はいった。

(深い意味があるらしい)

こう思ったからである。

「百姓は産み出してくれる。……物を。……土から。……一番力がある」

「ははあ」

と貝十郎はまたいった。

少しわかったからである。

「犠牲になって貰わねばのう。……気の毒だが、犠牲になって」

意次はここで幽かに笑った。

貝十郎も幽かに笑った。

「恐ろしいのは浪人群じゃよ」

ややあって意次は話をそらせ、この方面へ持って行った。

「貝十郎、どう思うな」

「はい」

と貝十郎はいったものの、恐ろしいのに幾通りもある、どういう意味の恐ろしいのか? これがハッキリわからなかったので、ただそういってだまっていた。