Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Lisez 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 191 184 caractères · 379 écrans

Aozora Bunko

八

「冬次郎様」と熊太郎はいった。

「進物駕籠の中にありましたもの、どのようなものでございましたかな?」

「見せてあげよう、ちょっとお待ち」

冬次郎は立ち上がって部屋を出た。

八

間もなく冬次郎は帰って来た。

見ればその背後に年は二十歳、あるいはそれよりも若いかも知れない、武家の娘と一眼見れば知れる、清麗ではあるが艶冶ではなく、若いに似合わず着けている物に、赤色などのきわめて乏しい、年を経たならば烈女ともなろうか、真面目そうな娘を連れていた。

その娘を横に坐らせて、冬次郎は元の座へ直ったが、

「駕籠の中の主、この婦人だったよ」

いいいい癖の懐手をしたまま、熊太郎の顔を正視した。

「いいところへそなた来てくれた。この婦人を送って貰いたいものじゃ」

「送る? ははあ、どこへでござりますか?」

以前小石川の水府館へ、武術をお眼にかけるべく、お館の懇望で参上した時、このお方も座にあってはじめて眼通りしお話ししたが、その時も万事唐突に、ものをいったりものを訊ねたりして、相手の意表に出るという癖を、お持ちになっているということは、熊太郎も知ってはいたけれど、若い女を連れて来て、まだ紹介もしない先に、送って行けといわれたので、胆を潰さざるを得なかった。