Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Lisez 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 191 184 caractères · 379 écrans

Aozora Bunko

八

九十郎は知らなかった。

九十郎はずっと向こうにある、書院造りの母屋から田舎娘に扮した、見覚えある姿体の若い女が、こっちへ足早に歩いて来るので、疑惑の瞳を注いでいた。

(あの女織江に似ているが?)

「源内」

とこの時意次が云った。

「何をあちこち見ているのだ?」

意次にも自分を狙っている、弁慶の姿が眼についていず、で、源内へ話しかけたのであった。

「建物を吟味しておりますので」

そう云って源内は舌打ちをした。

「どうも心に充ちませぬ」

「立派に出来ているではないか。その方の設計立派なものだぞ」

八

「私にはさよう思われませぬ」

平賀源内は憂欝にいった。

「個々の建物にも不満があれば、綜合の仕方にも不満がござります」

「作った本人の身になってみれば、あるいはそうかもしれぬのう」

意次は頷いていった。

「政治などもその通りだ。思うように執政されることなど、ほとんどないといっていい」

「綜合統一の技量において、私腕の未熟を知り、悲しいことに存じおります」

「ところが他人からそいつを見ると、綜合統一されていて、立派な形をなしている」

「盲人千人に褒められましたところで、私にはうれしくござりませぬ」