Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Lisez 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 191 184 caractères · 379 écrans

Aozora Bunko

思いなしか顔色も勝れていない。

随分と酒はあおったのであるが、色に出ずに頬など蒼白かった。

「拙者に至っては申し訳ござらぬ」

こういったのは団八で、これもさっきから実のところ、同じことを二度も三度も、クドクド弁解したのであったが、まだどうやら心が済まないと見え、

「つい、その、口がすべりましてな、楢屋へ養子の一件をお吉殿へ明かしましたので。……すると大変な見幕で、今夜楢屋へ我鳴り込むという。……いやはや何んとも申し訳ない儀で」

そういって頭をヒョイと下げた。

九十郎はそれをギロリと睨み、肩をユサリと揺すったが、しかし何んともいわなかった。

(出来たことなら仕方がない。……やるべきことは今後の処置だ)

こう考えているようであった。九十郎にとってはこの二つの事件は、実のところ厄介な事件なのであった。

大家楢屋の養子になれそうだ、その公式の初会見が、娘の父親と行われる、――という今日になって自分を狙う、服部兄妹がこの地へ来たという。

そうかと思うと妬婦お吉が、養子一件を聞き知って、ぶちこわしに楢屋へ乗り込むという。

やっと出かかったよい目いい光が、これでは摘まみ消されそうだ。