Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Lisez 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 191 184 caractères · 379 écrans

Aozora Bunko

動かなくなった。

と、細目にあいていた、道場の出入り口の戸があいて、九十郎がはいって来た。

まず死骸の側へ寄り、小柄を抜くとこめどころへ納め、それから織江へ眼をやった。

口の端へ不可解の微笑が浮かんだ。

燭台では蝋燭が燃え尽きようとし、火の穂がふくらんで呼吸づいた。

その火が消えて道場一杯に、闇が拡がったのと九十郎が、織江を小脇に引っ抱えて、忍びやかに道場から外へ出たのと、ほとんど同じ時刻であった。

塩尻の社家北条主計、この人の屋敷へ貝十郎一行が、滞在してから五日経った。

朝の陽が裏庭に射していて、真っ盛りの数株の梅の花が、強すぎるほど強い香を、縁に腰かけている貝十郎と、ままごと狂女のお浦とへ、惜し気もなく送っていた。

あたりには人気がなく、飼い鶯の啼く声が、藪鶯であろう高塀の向こうに、起伏している高原の方から、ひっきりなしに聞こえて来るのへ、合わせているのが聞こえて来た。

「お浦、わしを信じるがよい。信じてわしに渡すがよい」

いいいい貝十郎は自分の横へ、狂女などと思われないほど、つつましやかに腰かけているお浦の、胸もとの辺へ眼をやった。

「…………」