Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Lisez 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 191 184 caractères · 379 écrans

Aozora Bunko

「しばらくの間のよき隠れ家、雨露をしのがせてくれたところ、名残りおしく思われまする」

この屋内も幽暗としていて、そこにいる二人の人間が、この世ならぬ他界の幽霊かのように見えた。が、雨戸の間から見える、枯れ草の丈なす戸外の庭は、陽に照り栄えて明るかった。

三軒の廃屋の右の外れの、その一軒の奥の部屋で、三味線を膝の上へのせながら、お吉のことを思い出している、そういう九十郎を背後より、討とうとして織江が忍び寄ってる。――とも知らずに範之丞とお吉とが、ふたたび帰らない江戸への旅へ、盆地の草を分けながら、丘の方へ並んで歩いて行く姿が、点景かのように見えたのは、それから間もなく後のことであった。

十八

刀ふりかざし忍び寄った織江、

(討てる!)

と感じ、感じた刹那、

「父兄の敵イーッ」

と斬り込んだ。

が、何んの九十郎隙があろうか、剣鬼であった。

「女郎!」

飛び起き、三味線で払い、つづいて投げ付けたじろぐ相手の、隙に引き抜いた刀を中段、――中段につけて追い立てた。

「縄解いたな、おおそうか! ……斬り込んで来たな、いい覚悟! ……どうせ汝は殺す奴! ……かかれ、来い、来られめえがなアー」