Lecture japonaise

Classiques japonais avec furigana

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Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.

ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

Lisez 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.

N2 · avancé · kanji et kana modernes · 191 184 caractères · 379 écrans

Aozora Bunko

お吉が窓下から立ち去った頃、その屋敷の窓に近い座敷の、燭台の下に坐りながら、範之丞と織江とが向かい合っていた。

「お兄イ様」と織江はいった。「潔癖も程々になさりませ。情の強さも程々に。……お吉様のお心持ち、もう汲んでおやりなされませ」

――で、兄を咎めるように見詰めた。

「うむ」と範之丞は呻くようにいったが、そういったばかりで黙っていた。

でも範之丞の顔色は蒼く、唇は痙攣を起こしてい、眼には苦悶の色があった。

「かりにも父上の敵たる、九十郎の妾たるお吉なんどの……」

こうややあって範之丞はいった。

「ちぎったは誤り、知らなかったからじゃ、事情を知った今となっては……」

「聞き飽きましてござります。……だからこそ潔癖と申しますので。……何も手ずからお吉様が、お父様をお討ち果たしなされたのではなし……あの世でお父様がお聞きなされても、お叱りはなさりますまい」

「お父様のことはともかくとして、お前を下谷の妾宅で、気絶させて二階へ閉じこめたも……」

「いえいえそれとてお吉様が、九十郎の妾であってみれば、九十郎の敵の私に対し、ああいう手段をとるこそ真実、私は何んとも思っていませぬ」