Classiques japonais avec furigana
ja-reading.com
Lisez des classiques japonais en ligne avec furigana. Filtrez par niveau JLPT, touchez un mot pour le sens et traduisez une phrase.
ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
Lisez 血煙天明陣 (ちけむりてんめいじん) de 国枝 史郎 (くにえだしろう) en japonais avec furigana. JLPT N2. Touchez un mot pour le sens.
N2 · avancé · kanji et kana modernes · 191 184 caractères · 379 écrans
ご熟慮なさりませ!」
いい捨て飛び道具に囲繞されたまま、表門の方へ歩いたが、(冬次郎様一党を、こんな具合に飛び道具で威嚇し、車塚の郷から他領へ送り、一種の痛快味を覚えたが、運命自分に巡り来て、今夜は自分がこんな塩梅に、田沼様にあつかわれて追い立てられる。アッハハハ変なものじゃ)と、心の隅でふと思った。
この夜もやがて更けまさった。
織江は一人阿蘭陀部屋にいた。
監禁されているのであった。
親の敵は首尾よく討った。それだのに討った直後において、自分の貞操を奪おうとする、田沼意次にとらえられ、このような一室に監禁され、今夜のうちに狂女お浦が、その田沼の手に返らぬものなら、事実自分は田沼によって……
とこう思うと織江はたまらなかった。(いつまで不幸は続くのだろう?)
とはいえ彼女は今夜のうちに、狂女お浦が冬次郎様の手から、田沼のもとへ返されて、代わりに自分は許されるものと、そんなように思われてならなかった。
(早くお浦様が返されるように、それまでは夜が明けぬように)
彼女は熱心にそう願った。
毛皮のかかっている長椅子の上へ、彼女は体を横たえて、シャンデリアの燈を眺めながら、クタクタに疲労れ極まっている体を、長く延ばして休ませた。