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にっき

日記

宮本 百合子

03 一九一六年(大正五年)

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 81,739 字 · 164 页

青空文庫

一月三日

けれ共学理的に解剖した事は実生活に不都合かと云うに必ずそうではない。却ってたしかに親なら親を知り宇宙なら宇宙を知り得るので快いのである。今まで極くおぼろげなものであった宇宙と云うものをこの本を読んで恐ろしく学理的に書いてあってよく分って宇宙と云うものが確かに自分の見る宇宙になった。世のすべての事を神秘説で被うには及ばない。有りのままを静かに見るべきである。その結果として世の中はつまらなくなるものではない、又そうならない解釈でなければ正しくないのである。私はすべてを学理的に理解して確な踏み台に立って世の中を見るべきである。

一月三日(月曜)

〔書信〕坂本千枝子へ出

巨勢春野返

〔読書〕「宇宙の謎」三十頁

「戦争トパリー」一一三頁

書き掛けの物をいつまでも持って居るのは辛いものだ。

(八)十六枚を書きあげる。

今日は去年最後の産物だった「二十三番地」と「追憶」を父が箱根の次手に熱海に居られる坪内さんの所へ持って行って下さる筈になった。

相当に物も読んだし書きもしたので満足である。

彼の大きく出来すぎた袖模様の羽織が又母との感情の不和の原因に今日もなった。