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にっき
日記
宮本 百合子
03 一九一六年(大正五年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 81,739 字 · 164 页
七月一日
七月二日
二十六、七日 坪内先生御紹介状を下さり瀧田氏に会い原稿を渡す。
三十日 坪内先生の所へ上って若し『婦人公論』がだめなら単行本にする事にきめ。
七月一日(土曜)
雨が降る。青雨らしい日であった。上杉家の披露会への着物を作る作らないで午前中は一杯になる。母上はとうとう作らないことにおきめなさる。偉い、私はかんぷくした。今日になっても冨山房が持って来ないにはおどろく。本屋なんかと云うと此那ことはすまい、彼那ことはあるまいと思って居る方が間違って居る。『婦人公論』を出た次第にかって来る。あんまりゾッとしない。此那のなら単行本で出した方がどれ丈いいか分らない。けれ共まあ、のせて呉れるなら一種の広告で悪くはあるまい、午後になってから、「一條の繩」を書く、十四枚。夜はみみずが鳴いて、夏らしい――どこか淋しい様で力のある感じがみなぎって居た。
七月二日(日曜)
今日寿江子誕生祝
余り好い心持の日ではなかった。昼には寿江子のお祝で西川から御馳走をとる。とがしのはつ、木村来る。はつがいつもの様に大きな体をしながら、くそ遠慮ばかりして居るのを見ると、腹が立たざるを得ない。夜錦輝館へ行く。