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にっき

日記

宮本 百合子

03 一九一六年(大正五年)

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 81,739 字 · 164 页

青空文庫

〔六月中の重要なる出来事〕

とまで云って下さったことはどれ程自分の進む道をたよりあるものに思わせるか?

どうぞ此の月の事を只に私の日記に――生涯の記録に意味のあると云うばかりでなく、世界の文学史上に記念すべき月とさせたいものである。

今の夏は若しかすると東京で暑い思いをしなければならないかもしれない。

けれ共、そんなことは何でもない。

私は自分のする丈のことを一生懸命にしてさえ居ればよいのだ。此の一月は、種々な空想や期待やよろこびやに動かされて自分が何だか非常に動かされて居るのを感じる。

〔六月中の重要なる出来事〕

四日 「無題」三枚

六日 坪内先生より葉書母上参上批評を承って来る。

七日 自分母上行く。原稿を返していただき『中央公論』の秋季増大号に出せたら出し、そうでなかったら単行本とする事に決す。

十一日 終りの方をかきなおすのが出来て箱根葦の湯紀伊国屋へ御送りする。

十三日 小此木先生に坪内先生の事を御ききいただき、「追憶」を見ていただく。

十四日 坪内先生から「ゲンコーウケトツタツボウチ」と電報来る。

父上東北出張

十九日 冨山房へ『沙翁傑作集』を送る様に云ってやる。

二十日 熱海から原稿を送って下さる。