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にっき

日記

宮本 百合子

03 一九一六年(大正五年)

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 81,739 字 · 164 页

青空文庫

〔一月の感想〕

〔一月中の重要なる出来事〕

二月一日

実際おてんとうさまは生きる様にお作りなさったのである。

〔一月の感想〕

実に変化の多い一月であった。私の周囲には種々の事が起っては消えて行って居るのである。私の改革期の来た事を切実に感じた月である。私は思想的に種々の変化をした。

私の愛人は真である。

私の貧者に対して持って居た感じははたして真実な一点の虚栄心もなかったものであったろうか。この心は私に「貧しき人々の群」をかかせるのである。「お久美さんと其周囲」に於ける不平を私はとり返さなければならないのである。

この一月は私の第十八年の最初の月として充実して居た。それ丈は自分でも信じられるのである。

これよりも短かい二月は更に緊張して居なければならない。そして私のたてて居る予定を着々とはかどらせて行かなければならないのである。我心、只専に努力めよ!

〔一月中の重要なる出来事〕

十九日 「お久美さんと其周囲」脱稿

二十八日 「貧しき人々の群」起稿

二月一日(火曜)

母父上池田家晩餐、何だか気が重くて少しも仕事が出来なかった。

夜文法を一寸見たなりたまらなくなって十時すぎに床に入った。

日記もつけず書きもせず、僅ばかりニイチェの哲学を知ったばかりの一日を顧みるのはたまらない事である。