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にっき
日記
宮本 百合子
03 一九一六年(大正五年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 81,739 字 · 164 页
八月二十一日
八月二十二日
同情する。
八月二十一日(月曜)
いよいよ猪苗代湖へ行くことにする。一重帯や何か買おうと思ったので一足先へ車で行くと、お祖母様の車が、牛肉屋のかどで、自転車とぶつかって引っくり返ったと知らせて来る。びっくりして車をもどして、医者をよばせたりする。人だかりがするなかで、つらい思をした。中止しようとしたが何と云っても御ききなさらずに一汽車おくれた二時半頃ので立つ。大したことはなくってよかったが、宿屋が非常にきたなくて、たまらなかった。貧乏そうな宣教師風の女達が――西洋人――来て居た。夜ランプの下で、買って来た「野の花」をよむ。夜具がきたないので、私は羽根ブトンのかさに入ってねる。湖の景色はかなりよかった。
夜中に大地震があって喫驚した。宿の女房が裸体で烏路烏路して居た。
入日の景色と水浴する馬の群、渚で顔を洗った心持が非常によかった。
八月二十二日(火曜)
雨が降る。居てもつまらないので立つことにする。四人で一円六十銭茶代一円やると、礼に西瓜とブドーをよこした。娘が荷を負うて送って来る。停車場わきの茶屋――油屋のおやじの様なのが居た――に休み、坪内、千葉、東京の家へと絵葉書を出す。