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にっき
日記
宮本 百合子
03 一九一六年(大正五年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 81,739 字 · 164 页
五月二十七日
五月二十八日
妙に投げやりな、超然としてしまった様な口調がいやである。研究すべきことはどこまでも素直になって考えなければならない。千住さんはどうしても浅っぽい人である。
昼の時間に昇夢さんのツルゲーネフの伝を読んで、急に「獵人日記」がなつかしく感じられる。
どんな人でも偉かった人々の一生を読むと種々の感激を起させられる。人の一生、それは様々の形式と色彩を持って居ようけれどもいずれも尊いものである。
自分の生涯も何物か人に与えるものでなければならない、同時に最も多く吸収したものでなければならない。
五月二十七日(土曜)
一時間おそく行く。帰りに町田さんと一緒に来る。二十近くもなって居て彼那単純な心なのかとおどろかれもする。電車の中なので自分丈になれないで困ると云って居た。
夜、「獵人日記」を読んで見る。もう三年ほど前に一寸見た限りなので新しい発見も多いが又訳の悪いところも気になった。
夜は、作物に感激させられたのと夜がしずかにしめって居るので、妙にセンチメンタルになって悲しくて仕様がなかった。
五月二十八日(日曜)
漢文。ワイルドの「獄中記」の関先生から拝借して来たのを少し読んだが原本の方が省略してあるところが多かった。