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にっき

日記

宮本 百合子

03 一九一六年(大正五年)

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 81,739 字 · 164 页

青空文庫

一月十八日

一月十九日

私の踏み出の第一歩としてまとめたものを出す事は無駄ではないのである。少し位無理をしたってしなければならない。

割合にたゆみなく行く足どりを有難く思う。

私は沈黙し、同情者を得、そしてどしどし進んで行けばよいのである。

一月十八日(火曜)

千葉先生がこの間の手紙の返事として、「帰りにでもいらっしゃい」とおっしゃったので行って見ると、紙に書いたものを下さる。私の困って居る事、希って居る事をはっきり理解されて居ると云う事は真にうれしい事である。千葉先生丈は私の始終の同情者であると云う事を信じるのである。

帰りに榎本に行き電車の中で四年の名は知らない人に会うと、擽ったい賛辞を盛に呈せられる。薄すべったい頭で人を賞めたり何かされるといやになってしまう。

夜は又歯ぐきが非常に腫れて何もしずに早く寝て仕舞った。

一般感覚と云うものが如何ほど我々の心に影響を与るかと云うことをはっきりと感じる。

一月十九日(水曜)

学校欠席

「お久美さんと其周囲」脱稿

非常な満足を以て寝る事が出来る。

去年の暮から仕かけて居た事の出来上った喜びは実に非常なものである。必して満足の出来る作ではないけれ共まず私の一つの試みである。