轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
にっき
日記
宮本 百合子
03 一九一六年(大正五年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 81,739 字 · 164 页
八月二十日
教室がきたなくよごれて、種々の感じをおこさせた。一つ材料を得たよろこびにうたれた。非常に書きたい気がして居るが、どうしても気がまとまらない。昼頃坂本さんへ、手紙をもらったについて心持を書いてあげる。高嶺さんが、赤倉からよこしてくれた手紙とはまるで違って居る。天気が曇ったり雨が降りそうになったりして居るので、心持が沈んで、静かな裡に居るのが苦しかった。
八月二十日(日曜)
こうやって離れた処へ来て居ると、東京がほんとによく思われる。東京が恋しい、どれほど暑くても、さわがしくても、静かな書斎さえあれば、東京よいところである。『文章世界』の増刊をよんで見ると、種々な感に打たれる。今までとまるで違った顔ぶれで、吉屋信子氏丈がもう投書家の域を脱した様な体裁で、「赤き世紀の人々」を出して居た。或る暗示はたしかに与えて居る、技巧もある程度までは行って居る。けれども女性的な繊細さ、空想さはなやかさが幾分きざなと思わせる点もある。渡辺ゆめとが死んだと書いてある。少女讚美者として種々な意味で働いて居た人だったのにと思う。誌上のちっとも知らない人ではあったけれども、私は、まだ成長しきらないまま逝った人の心を深くかなしむ。