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にっき
日記
宮本 百合子
03 一九一六年(大正五年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 81,739 字 · 164 页
四月十一日
四月十二日
午前中行って午後から本屋へかいに行った。
『ニイチェの研究』、『我等何をなすべきか』、『社会力』、『結婚の幸福 泥濘』。「泥濘」を少し読む。偉大と云おうより寧ろ私をおそれさせる。
そして私の持論の裏書きをさせられる様に感じた。実際性慾からはなれて、醒め切った心持で、或る形式の許に結ばせられた二箇の二人が互にとけがたい敵意を持って向かい合って居る姿は何と云う浅間しい胸を悪くさせるものであるか。
「二人きりの時をねがうよりも却って第三者のあった方がどことなしくつろげる」と云うのは事実である。痛ましい事実である。
世の中の所謂幸福なる幾多の夫婦者よ。
四月十二日(水曜)
帰りに千葉先生に門のところで御目にかかって御一緒にかえる。
「生長老成死」と云うのを読めと云って下さる。種々な御話しをしながらあの坂を下りた。この間から申し上げたいと思って居た反省録のことなど又は生徒気質がこんなに浅間しく感じられたかと云うことも御話した。一つ一つ丁寧にきいて下さった。
いつもの様に紫っぽいお羽織を召していらっしった。
夜それもまだ夕方妙にメランコリーな心持になって、トルストイの「結婚の幸福」