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にっき
日記
宮本 百合子
03 一九一六年(大正五年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 81,739 字 · 164 页
十月四日
十月五日
好いのが見つからないので、こまって居る。
十月四日(水曜)
十二時頃までねてしまった。四時ごろから小此木先生へ行く。天気がはっきりしないので外へ出るにもあんまり心持がよくなかった。露子氏に会うと、田中さんが学校に来て大変ふとり返って居たと云う。かえりには五時頃小雨が弱く降って、つきはじめた灯が美しく見えて居た。外のうす明りと、人工の燈火の輝きが美くしい調和を保って居た。帰って見ると、河村明子氏が八日の演説会の引札のようなものを沢山と入場券と、新真婦人と云うものを持って来て置いてくれたそうである。学校へ行ったら皆にわけてやってくれとか云ったそうだが私はあんな引札くばりみたいなものを出来はしない。だけれどもあの人もずいぶん複雑な性格をもって居る人らしい。時代の児である。夜になってから直行氏が来る。すえ子ちゃんがいつまでも起きて居たので、皆がねたのは二時近くであった。安定でありながら底の方に不安が流れて居る。
十月五日(木曜)
stage-coach について作文
赤子さんがいつまでもいつまでもねて居るので、又よるねないだろうと心配した。直行氏は、午後から野本氏を訪ねに行った。