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にっき
日記
宮本 百合子
03 一九一六年(大正五年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 81,739 字 · 164 页
二月八日
二月九日
二月十日
若し相談して好い様だったら去年あたりの事から書いて見たいどうぞしてよいのが出来る様に、
只記録として残す丈でもよいのである。
英男の名も出さずに書いたら大丈夫だろう。
英男の熱が一日下って居た嬉しい。何かにつれて佐渡の金山と、大島、八丈島へ行き巣鴨の気違い病院について見たく思う。
狂人の心理を研究して書きたいものである。二重人格も面白いと思う。
二月八日(火曜)
英男が又少し工合が悪い家中の心配を集めて居る。
いそがしい一日を送って仕舞った。
二月九日(水曜)
英男少しよろし。
家中も少しずつくつろいで来た。
今夜は、「貧しき人々の群」を書きたいと思ったのだけれ共頭が疲れて居て出来ない。
夜十時頃に床に入ってしまった。
二月十日(木曜)
〔書信〕安藤千枝子
激しい風が吹く、「鈍色の夢」を書いたら英男の事を一つ書きたいと思う。
母上に相談して許しを得た。夜は珍らしく筆が進んで十九枚書く。
(四)を大抵なおし(五)を書く、四十幾枚かになって居る。百枚はじきである。私は「お久美さんと其周囲」で得た失望をとり返さなければならないのである。どうしても。
一時頃まで起きて居たのだが不思議な興奮が私のすべてを領した。