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にっき

日記

宮本 百合子

03 一九一六年(大正五年)

N3 · 进阶 · 新字新假名 · 81,739 字 · 164 页

青空文庫

六月十五日

六月十六日

「セバストポール」の訳が少しわるい様なので残念である。母上がもうすっかり私を洋行させる覚悟をなさって、百合子はどうしてもイギリスだとおっしゃる。その時の様子などを思い浮べる。

もう梅雨に入って居るそうで雨が夕方から降り出して少し涼しくなったが頭の工合はよくない。月見草とダリアが草畑に咲いた。

六月十五日(木曜)

「我等何をなすべきか」を一寸読んで見る。彼が、どんなに自分が農民を支配し得る地主であると云う事をなさけなく思って居たか、引いてはあの金を持たない心持になったことも分る。

石井が来て久米氏のことを母にたのんだと云うので夕方久米氏を呼ぶ。石井も男らしくない人だとつくづく思う様な節々がある。ああ云う顔の人はフランクな生活は出来ないものだ。久米氏はすべての要求を出来る丈は受け入れると云って居たそうだ。

とうとう卒業されるのはお目出度いがそんなにすぐやわらかものの着物をきないでもいいだろうのに。坪内先生から熱海にうつったと云う御葉書を下さった。

六月十六日(金曜)

Little Women を読む。日本の娘達の様な生活をして居る女の子がみじめな様な気のするところがある。