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にっき
日記
宮本 百合子
03 一九一六年(大正五年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 81,739 字 · 164 页
〔六月の感想〕
雑誌むきのものではないし、又長すぎることもあるけれ共自分として最初のものがわずか二三十枚のものであろうことはのぞまないのだからしかたがない。かえりに母様は上杉家へ御よりなさる。門まで送って行って渡辺のわきで久米さんに会う。だれか友達二人と一緒であった。中の一人はよく見かける顔の様であった。一寸目礼しただけでお茶の水の方へ行ってしまった。下島さんが例によってもらいに来た。
あの人の形を見ると、実際かわいそうになって来る。あんなにしょぼしょぼしてどうしたと云うのだろう。一つ発表したらゾクゾク出さなければいけないと云うので、古いものを又御目にかけることにする。
〔六月の感想〕
此の一年の真中の月は私の一生に大いなる意味を持って居る月であった。私の第一歩は漸々かたまろうとして居る。
今年の正月の一日に久米さん達と集ったとき、今年は何かありそうな年だと云い合って居たことが自分にとっては実現され様として居る。
私の一生の中最も記憶すべき月なのである。
これから先の自分の努力の如何によって自分の位置はどれほどにでもなって行くのである。
「あせらずになさい、きっと立派なものがかけます」