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にっき
日記
宮本 百合子
03 一九一六年(大正五年)
N3 · 进阶 · 新字新假名 · 81,739 字 · 164 页
七月三日
七月四日
名金会とか云うので、名金をした。いくら金になるからって、彼那土人みたいなものにかつがれたり、何かして居るのは実際いやになるだろうと思う。何でも商売になればつらいものだ。先に来て居たアメリカ人が来て居る。いつもあのあお目玉をギロギロさせてしきりに野心たっぷりな形をして居る。どうしても西洋人は日本人よりも肉感的である。女でも男でもそうだ。女はそれだもんでよけい Charming であるわけだ。うすい着物を透して四肢の見える姿で舞いさわぐ様子は同性でも妙な誘惑を受ける。
七月三日(月曜)
「盗難」を書く。非常に暑くなった。
中公からの返事を一日待ちぼうけをして仕舞った。
七月四日(火曜)
午前中中公から電話で大変いそがしいから十日頃まで待ってくれと云って来る。母上が早速意向を聞きにかけて下さったけれ共要領を得なかった。午後から坪内先生へ原稿を持って行って、種々の御話しを伺って来る。ほんとに先生らしい落付きのある話しがしいい方である。小川未明さんが先の頃三時間くらいずつ愚痴をこぼして行かれ行かれして居た事や久米さんの話や田村さん、永井荷風さんの事が出る。
「天才は別である、けれ共どうも何か修養すべきことがありそうに思われる。