轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

「報知新聞」報知社、1927(昭和2)年10月~終号未詳

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 577,271 字 · 1141 页

青空文庫

「はい、夜光の短刀さえ手に入れて参りますれば、すべてのことは、船のカピタンが心得ていてくれます」

「夜光の短刀の方のことは、もう私の物になったのも同じだよ。なぜかってヨハン、これを見ておくれ……」

「おっ……これは樟板の半分」

「私の手にある図面と合せて、これでピッタリと吹上の何処にかピオの遺品が埋めてあるかが分るだろう」

「図面がそろえば、一目で分明しなければならないはずです。ど、どれ、お見せなさいませ……」とお蝶の齎したそれと、手許にある半分とをつぎ合せて、二人が眼をこらし合っているらしく、帳の隙から弱い燈火がそこに声もなく揺れている。

「ウーム、おれは何という愚か者だろう。お蝶のような小娘の手くだに、今日までうまうまと乗せられていたのだ」

鉄窓の外に体を屈していた日本左衛門は、思わず心のうちでうめきました。先には、お粂に苦い経験をなめさせられ、今またお蝶に首尾よく騙されたばかりか、樟板の秘図まで彼女にシテやられたのです。

元々、彼はお蝶というものを、一個の不良少女ぐらいにしか思っていない。それが、夜光の短刀を目がけていたり、牢の中のヨハンが糸をひいていようなどとは、今初めて投げつけられた驚愕です。