轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

「報知新聞」報知社、1927(昭和2)年10月~終号未詳

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 577,271 字 · 1141 页

青空文庫

あれをここへ呼んで、笛、小鼓。わしも舞おう、月江も謡え」

「春の名残、それは一段と面白うございましょう」

「嬢が帰った心祝いじゃ。今宵は召使いたちも遊ばしてやれ」

「では、早速」

と、久米之丞が呼びに立ちかけますと、月江はそれを咎めるように、

「お祖父さまは、こんど将軍様御他界で、鳴物停止になっている世間のことを、御存じないのでございますか」

「いや、それは、こんな山奥にもお触れがあったよ。だから当家でも、折角催すつもりであった石神祭りの仮面納めも見合して、わざわざ雇った神楽師どもも、ああして無駄に遊ばせてあるのじゃ」

「内輪だけのことなら、何も苦情はござるまい。それにこの山間の広いお屋敷、世間に聞こえるはずはなし」

と、久米之丞は独りぎめに立って、何かの指図を急ぎ初めました。

支度はやがて、べつな広間。

五、六十畳も敷かりましょうか、正面の九尺床には、偉なる高麗焼の大花瓶に一個の梵鐘が釣ってあり、また、銀の大襖につらなる燭台の数は、有明の海の漁灯とも見えまして、さしも由緒ある豪族の名残はここにもうかがわれる。

ならびました。人々、席順に。

まず、御隠家様の千蛾老人、無論正面をうしろにしまして。