轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

「報知新聞」報知社、1927(昭和2)年10月~終号未詳

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 577,271 字 · 1141 页

青空文庫

「なるほど」

「それでアアして、お気軽に、湯場や江の島などを歩いていらッしゃるのだろうが、こんな田舎へ、お越しがあろうとは、わしも、夢にも思わなかったよ。――何せよ珍客、ゆッくりお泊まりを願うつもりだ、ウム、奥へ酒やさかなの支度を頼みますが……、わしはと……わしは一ツ急用の手紙を二、三本走り書きして、そのあとで、ゆッくりお相手に出ますからな、その間、お前方でおもてなしを」

九兵衛は帳場格子をまたいで、忙しそうに仕切帳をひろげ、何か商用らしい手紙をスラスラ書き初める。

奥では、女中の声や器物の音がしばらくの間せわしげに聞こえて、時折、手代が九兵衛のところへ、もてなし方を相談に来る。

「……そうだな、江の島に永らく御滞留だったのだから、所詮、この辺の生魚などはお口に合うまい。……野菜がいいよ、新しいお野菜をな。……ウム、椀のものか、鳥? よかろう、竹の子の木の芽あえ、それもいい、それから、網源へ聞き合せて、まだ鮎は育っていまいが、何か相模川の」

そんなことをいいつけながら、書き終えた手紙を飛脚状にして、

「じゃ、奥の支度はすッかり済みましたね。そうしたら、お前たちも骨休みをして。