轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

えどさんごくし

江戸三国志

吉川 英治

「報知新聞」報知社、1927(昭和2)年10月~終号未詳

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 577,271 字 · 1141 页

青空文庫

平の暖簾を出ました。

町は宵の灯。

もう土蔵の柵につないであった、月江の白駒は乗り人と共にその姿が見えません。

――と向うの葉柳の蔭に佇立んでいた年配の武家が、質屋の門を出て来た浪人を待ち設けていて、

(ここだ、ここだ)

というふうに手招ぎをする。

黙って、向う側へ寄って行った編笠と、待っていた丸縁の笠と、やがて肩をならべながら千人町の宵を歩き出しましたが、そのあとに尾いて二人の会話を聞いてみますと、

「――そうか、じゃあ今そこを出た二人は、あれから高麗村へ戻らずに、すぐ女のあとを追いかけて行ったんだな」

「そうらしいよ、小仏へ向ったから」

「だが、夜半にかけて、山越えもしやしめえ」

「今夜のうちに、麓の立場まで捗を取っておくつもりではないか」

「なるほど」

「ところで、こッちの方寸は」

「この質屋で姿を更えて行った女が、切支丹屋敷のお蝶ということが分った以上、何もあわてることはない」

「ウム、いわば袋の鼠だからな」

「悠っくりと、高麗村の者に尾いて行って、あの二人の素人仕事の手際を眺めていようじゃねえか」

「じゃ、こッちはその上の手段とするか」

「そうよ」

と、一方の編笠は星を仰いで、