Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
九
に存じますで、はねましてからどこぞで、お杯を取らせつかわしたらと考えますが――」
「それそれ。拙者もそのことを、思わぬではなかったが――」
と、横山は、うなずいて、
「御隠居の御都合さえよろしければ、そういたしておつかわしになったら、ことさら上方からの、いわば頼りすくない彼、なんぼうかよろこぶでござろうが――」
この問答は、三郎兵衛によって、とりわけ浪路に、聴えよがしにはじめられたのだ。
彼の視線は、冷たく、鋭く、彼女にちらちらと投げつづけられる。
――それ、見るがいい。あの娘、まるで相好がかわってしまった。屈託らしい顔が、急に生き生きとかがやき出した。ふ、ふ、この三郎兵衛さまの眼光におそれ入ったか?
勿論、三郎兵衛のこの発議を、しりぞける三斎ではない。彼は異った世界の人間に接触するのが、一ばんのたのしみでもあった。
「おもしろいな。どこぞで、招いてやろうよ。浪路、そちにもいい保養であろう」
彼はのんびりした調子でいった。
九
父親から、雪之丞を、どこぞ会席にでも招いて、贔屓の言葉をかけてやろうではないか――と言いかけられて、浪路は、ときめく胸を隠すことが困難なように見えた。