Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme

Aozora Bunko

一九

「して、むすめは、どこに隠れていたのじゃな? やはり、雪之丞にかくまわれて――」

「とんだお間違いでごぜえます。雪之丞は浪路さまから、何度呼び出しをうけても、義理をお屋敷へ立て抜いて、お言葉にしたがわなかった容子で――」

「では、むすめは、いのちを賭けて恋いした、雪之丞に、逢わずに死んだというわけか――」

と、さすが、わが子のあわれさに、暗然として、三斎がつぶやいた。

「ですが、そこには、神もほとけも、ねえわけじゃあござんせん――浪路さまは、あっしの小家で、御臨終になるときに、雪之丞に、手を把られているような、夢を見ていたようでごぜえますよ」

闇太郎は、こう言いつくろって、

「何でも、未来はかならず一緒とか、言っておいでのようでした」

「で、その最期の際は、わしのことは、この父親のことは、何も申してはいなかったか?」

隠居は、だんだんに流れて来る涙を、どうすることも出来ずにたずねた。

「それを訊かれるのが、一ち、あっしにゃあつれえんで――」

と、闇太郎は、わざとらしくもなく、目を反らして、

「何でも、父御、兄御の方々にはうらみのひとつもおっしゃりたいようでしたが、そこは、おたしなみで、何の御遺言もござんせんでしたよ」