Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
四
素直な男は、あわてた。
「いいえ、どうつかまつりまして、あなたさまに、戻れの帰れのと、そのような、失礼なことを、どうして申し上げられましょう。ただ、いかにも、お屋敷の、お父ぎみさま、お兄ぎみさまの、御当惑がお気の毒でなりませぬゆえ、お城をおさがりあそばすにいたせ、一応は、お顔をお見せなされまして大目晴れて、お暇を願うことにいたしたら、八方、美しくおおさまりになるであろう――と、そのように、母親も、いい暮しているものでござりますから――」
「まあ、その乳母までが、それでは、わたしのあのような頼みをも、打明けばなしをも、裏切って、お城や、お父上の、味方についてしまったものと見える――それも、道理といえば道理――わたしは今日、世をしのび、お前方の情でかくまって貰っている身、何の権威もなくなってしまっているし、その上、わたしのいうままにしていたら、あとで、きびしいお咎めもあろうかと、案じるにも、無理はない。今更、お前たちがわたしを、この家に置くのを、迷惑とお言いなら、いかにも、尤もゆえ、早速、ここを立ち去りましょう――」
浪路は、美しい顔を、青ざめさせて、唇を、血の出るほど、噛みしめるのであった。