Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme

Aozora Bunko

八

「うおッ! う、う、う」

と、いう、かすかな、押しつぶされたような、うめきを、又も聴いてしまった。

戸をあけてやった手代、薄くらがりで、相手を何ものとも見分けぬ暇に、もはや、匕首の一突きを背中に受けて、高く叫ぶことさえならず、そのまま、どたりと、倒れてしまったものと見えた。

それなり、しいんと、ひそまりかえった家内――

大方、三郎兵衛の音ずれを聴きつけたのは、見世番の手代でほかの店のものは、寝入りばな――これまでの一切に、気がつかず、つい、そこで、同僚が殺害されたのも知らず、ぐっすりと、寝込んでしまっているのであろう。

――これで、二人目!

と、雪之丞は、心にかぞえた。

三郎兵衛、何を行ろうとするのであろう? 広海屋のいのちを狙うに相違ないが、まさか、易々と、あの剛腹な男を殺すことは出来まい。

彼は、しかし、三郎兵衛が、成し遂げえぬことを今夜自分でやりおおせようとはしなかった。三郎兵衛、広海屋――この二人は、孤軒老師が予言したとおり、十中八、九は、ガッと組み合ったまま、いのちの尽きるまで、噛み合い、食らい合うであろう。

――どっちが強いか――おぬし達、二匹の狼――弱い方から、死ぬがいい――