Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆきのじょうへんげ

雪之丞変化

三上 於菟吉

Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme

Aozora Bunko

五

江戸のおんなが、どんなに生一本な気持をもっているか知らせてやろう――なあに、あいつが、肯かねえというなら、そのときは、あいつの敵の味方になって、さんざ泣かせてやるだけだ。

お初はあらぬ決心をかためて、茶碗に酒をドクドクと注いで、紅い唇でぐうっと引っかけるのだった。

五

ひたむきな、突き詰めた恋ごころが、女ぬす人の魂を荒々しく掻き乱した。

お初の情熱は、いわば、埒を刎ね越えた奔馬のようなものであった。

軽業おんなのむかしの、向う見ずで、無鉄砲で、止め度のないような、物狂おしい狂奮性がカーッと、身うちによみがえって来たのだ。

小屋もの、女芸人とあざけられて、人並の恋さえゆるされなかった世界に、少女時代をすごした彼女は、むしろ反抗的な、争闘的なものをふくんでいない愛情なら、決して欲しくないような気さえするのだった。

――あの女がたのまわりに、何百人の女がまつわっていたって、それが何だ? どんな家柄や金持の娘たちが、わがもの顔にへばりついていたって、それが何だ? おいらだって、生っ粋の江戸ッ子なんだし、どんな男の奴も、一目見れば、ぽうッとなってしまうだけの色香もまだ残っているんだよ。