Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
狂※(「風にょう+炎」、第4水準2-92-35)の恋
一
「あなたさまが、そう仰せあそばせば、決して、どなたの前でも、歯から外に洩らすことではござりませぬ」
「折角、そなたの話もあったゆえ、わしも性根を据えて、ここらで、ずんとひとつ考えて見ねばならぬ」
と、広海屋は、思い入ったようにいったが、ふっと、気がついたように、腕組をほどいて、
「さて、では、心置きのう、杯をすごして貰おうか――わしも、久しぶりで、何かこう大きな山にさしかかった気がして、心がいさんでまいったようだ。は、は、は、幾つになっても、商人は商いの戦いをしたがっていてな」
彼は、パンパンと、手を拍って、座をはずしていた取り巻きを呼ぶのだった。
狂※(「風にょう+炎」、第4水準2-92-35)の恋
一
曩日の宿下りに、中村座顔見世狂言で、江戸初下りの雪之丞女形の舞台を、はじめて見物し、その夜、長崎屋三郎兵衛の心づかいで、料亭の奥の小間で、はからずこの絶世の美男と、親しく語り交わすことが出来た三斎息女浪路は、翌日大奥に戻ったが、かの優人のいかなる美女よりも美しく艶やかなおもかげが、たえず目の前に彷彿するにつれ、今更のように、只栄華権柄の慾望を満足させるために、心にもなく日本一の勢力者、時の公方の枕席の塵を払うことの、いかに妄虚に満たされたものであるかがはっきりと感じられて、もう一日も、この偽りに汚された生活に