Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
七
――相手は多い! 早う、親分お逃れになって――
が、見る見る、ひしひしと取り巻いて来る同心、捕方――
――なぜ、いつまでも、抜かないのだろう。親分は――若し、つかまってしまったら、どうなさるおつもりなのだろう。
見るに見かねて、雪之丞、歯を噛むと、帯の間の懐剣を、ギラリと引き抜いて、立木の蔭を飛び出すと、タ、タ、タと、近づいて、
「御免!」
と、一声、額にかざした紫電のひらめき――
「親分、お逃げなさい!」
と、呼びかけるなり、突くと見せて斬る。斬ると見せて突く。
「助勢が出たぞう! 気をつけろ!」
「親分、おのがれなさい! あとは、わたしが引きうけますほどに――」
「それよりも、おまはんの仕事、しすましたか?」
と、闇太郎が、だしぬけの雪之丞の出現にもかかわらず、驚きもせずに叫んだ。
雪之丞はうなずいて、
「かたじけのうござんす――こよいで、みんな、すみました」
「それはいい――では、このおれにも、心のこりは何もない。さあ来い! 目明しども!」
「親分、悪い! 早う消えて下さらねば――」
「逃げるなら一緒に逃げよう。雪さんどこまでも――」
「あい。そうしましょうか!」