Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
一〇
雪之丞、刀葉林に坐して、まるで平馬と差し向かいで、世間ばなしでもしている台詞だ。
一〇
「何を詫びたらよいか? ――と、訊くのか?」
と、平馬は、馬鹿にした調子で、
「一たいに、貴さまが、江戸で舞台を踏むのなぞ、見るのも厭じゃ――まずこれまで、お目をけがしましてと、言って、役者をやめて、拙者の道場の下男にでもなれ――それから、従って、一松斎へ、貴さまも、縁切り状をつけねばならぬ――」
平馬は、自分の烏滸のこころに引きくらべて、雪之丞が、現在、平気をよそおってはいながらも、内心では生きた気持もないものと信じ、さんざんになぶってから、残忍なしおきに逢わせてやろうと企らんでいるのだ。
雪之丞は、茶ばなしでもしているような、心易げな語韻で、
「それは困りましたね」
と、小首をかしげるようにしたが、
「わたしが役者になったのは、身すぎ世すぎのためで、つまりは、どなたかさまの下男になって、水を汲んだり、庭を掃いたりするのが、厭だったためでございます。それはもう、堅気衆から御覧になったら、草履をつかもうと、天びんをかつごうと、河原者と一くちに、いわれる渡世をするよりも、いくらいいかわからないと思召すでしょうが、人は顔かたちの違うように、心持もちがっております。