Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
一三
「おお、拙者も、たしかに一度逢ったすがたと思うたが、では、あの時の――」
相手は、少し渋りながら答えた。
して見れば、この男は、山ノ宿で、雪之丞が、お初を仕止めようとしたとき、邪魔にはいった、門倉平馬か、その伴れに相違ない――彼等としては、雪之丞に、みにくいおくれを取ったのを、この女に見られている筈なので、何となく、拙い気持がしているのであろう。
「あの節は、何とお礼を申してよろしゅうございますやら――」
お初は、しおらしく、手を下げた。と、いうのは、この男、たしかに、三斎屋敷を辞して来たところらしいので、何かの時の便宜と考えたからだ。
一三
お初が、この男、三斎屋敷から出て来たに相違ない――と、見て取ったのは、さすがに達眼だ。
彼女を、月あかりに見下ろして立つのは、言うまでもなく、三斎お抱え同然の、門倉平馬――お初が、見馴れぬ新建てがあると、目を止めたのは、彼の道場で、一松斎の門に、後足で砂をかけてから、隠居に頼んで、持地内に建てて貰ったばかりの、新居なのだ。
「いや、あの時は、相手が女子と侮ったところ、計らんや、女装変形の怪しき奴、なかなかに手ごわく、手捕りに致そうとしたため、思わず取り逃したが、いずれに致せ、そなたに別条もなく仕合せだった」