Japanische Klassiker mit Furigana
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ゆきのじょうへんげ
雪之丞変化
三上 於菟吉
Lesen Sie 雪之丞変化 (ゆきのじょうへんげ) von 三上 於菟吉 (みかみおときち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 344.083 Zeichen · 673 Bildschirme
五
と、三斎老人は、もがいた。
「わしは、そなたの母御が、好きであったのだ――どうにもして、わがものにしたかったのだ――それは、いいことではなかった――わるいことであった――が、わしが、そなたの母御を、忘れかねたのは、ほんとのことじゃ――いつわりではない――」
「母は、父親の女房だったのでござります――それを、言うことを聴きさえすれば、松浦屋を、つなぎとめるの、つぶすのと、くるしめ、いじめ――とうとう、あわれな母は、舌を噛んで、こう舌を噛んで亡せたのでござりますぞ――」
「ゆ、ゆるしてくれ、雪之丞――ゆるしてくれ! ああ、今ぞ思い当ったぞ――この一ヵ月に、思いもよらず、長崎以来一党の滅亡――さては、そなたの呪いであったのだな――」
三斎隠居は、部屋の隅に、追いつめられたようになって、目を両手でふさごうとする。
「ま! ごらんなさりませ――母は、こうして、われとわが舌を噛んで、果てたのでござりますぞ」
雪之丞、紅い美しい舌の先きを歯の間に、ぐっと噛みしめるようにする。
三斎は、狂おしげに、
「やめてくれ! やめぬか! う、う、う、息苦しい! 息づまる!」
と、胸のあたりを、かきむしるように、